チャプター 212

一瞬、誰が一番気まずい思いをしているのか、誰にも分からなかった。

エミリーの表情には微塵の変化もなかったが、水面下でチャールズの脇腹を強くつねってから、パッと笑顔を咲かせてロバートとケリーに挨拶をした。

「ロバートさん、ケリーさん、おはようございます」

ケリーの脳裏には、いまだにチャールズのデレデレとした表情がリフレインしていた。かつては厳格で落ち着き払っていた息子のイメージが、目の前で音を立てて崩れ去っていく。

そして隣に立つ夫をちらりと見て、ふと合点がいった。

息子は堅物すぎて、一体誰に似たのだろうとずっと思っていたのだ。しかし、今エミリーに向けるあの態度を見れば――まさにロバー...

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